自分が好きなこと
私が経験した荒野の中に一定の期間身を置いてみる経験は、ビジョンクエストと言われるもの
で、ネイティブ・アメリカンが継承してきた儀式です。
たとえば成人を迎えるといった人生の節目の時に自然の中で内省し、
自分が進む方向性についての何かしらの啓示やインスピレーションを得るものだとされています。
これは自分にとってひとつのことを終わらせて、次のことを始めるきっかけになりました。
私には常々思っていることがあって、それは成人式を過ぎると老年期までの間に社会的な儀式がほとんどないということです。
未成年であれば、七五三、入学式、卒業式、成人式と節目の儀式がありますが、
大人になるとそうしたものはめっきり減ってしまいます。
けれども大人にだって発達の段階があって、はたから見えるものではありませんが、心は成長していきます。
下の表は大人の心の成長段階をあらわしたものです。

マズローの欲求のモデルと似ていてる?
まず自分の生存欲求を満たす欲求から始まり、次第にもっと抽象的なものになっていきます。
この表を見ると、関心を寄せること(主なモチベーション)が変わり続けています。
そして、ちょうど働き始めてから10年を過ぎたあたりから、
自分って何なのだろう? みたいなことを考え始めて、もっと社会の役に立ちたい、
誰かを喜ばせたい、自分がいいと思うことをしたい、みたいなモチベーションでライフワークに近づいていく、といった感じです。
心の年齢と実年齢は異なるので、たとえば正確に40 歳の時にアイデンティティーに気づくというわけではありません。
そして最後にたどり着くのが自己実現。これでいいのだ!と思える境地。ちょっとサトリっぽいですね。
何かの折に「今、どこに向かおうとしているかな?」と思いをめぐらしたり、
自分だけの節目のイベントをつくったりしてみるのも、無駄な時間ではないようです。