良い母親の仮面
子どもの頃から、良い子で頑張ってきたお母さんは、自分が母親になってからも
「良い母親」になろうと頑張ってこられたのではないでしょうか。
お母さんのお母さんが、お父さんを立て、家事をちゃんとされている良妻賢母だったとしたら、
「私もお母さんのように、完璧な母親にならなければ!」
と頑張ってこられたかもしれません。
もしくは、お母さんを反面教師にして、
「あんな母親にはなりたくない! 私は良いお母さんになりたい!」
と思って頑張ってこられたかもしれません。
私も「良い母親」になろうと頑張ってきました。
育児書を読みまくり、優しくて、いつも笑顔で、綺麗好きで、料理は栄養のバランスを考えて手作りで、
子どもに対して愛情いっぱいで、子どものために勉強も教えてあげて、
病気になったらつきっきりで看病して、子どもが落ち込んでいたら励ましてあげて……。

そんなお母さんになりたかった
でも、そんなに何でも、マニュアル通りに完璧にできるわけがありません。
些細なことでイライラして怒ってしまうし、部屋は片付けても片付けても散らかるし、
疲れて仕事から帰ってご飯を作る気力はなくなるし、
仕事中に保育園から「熱があるのでお迎えに来てください」と電話があると、同僚に頭を下げて急いで帰らないといけません。
子どもに勉強を教えようと思っても全然やらないし、落ち込んでいるので励まそうとしたら、
余計に泣かれて暴れるし……。ああ、なんて私はダメな母親なんだろう……と、自分を責めていました。
そうして、ちゃんとできない自分、きちんとできない自分、ダラダラしたい自分、
理想通りにできない自分を否定して責めているので、子どもがちゃんとしないでグズグズ、ダラダラしていると、
イライラしてしまうのですね。