習い事を嫌がる時はどうしたらいいの?
私: あのね、今ダイキが高3なんだけど、高校卒業後就職しようが専門学校行こうが大学進学し
ようが、どうでもいいって思えるのね。
心美: どうでもいい!?
私: うん。どうでもいいっていう言い方は、誤解を招くかもしれないんだけど。
どんな進路を選ぼうが、ダイキが本気で進みたい道だったらそれを応援したいって思うの。
心美: うん。
私: でもね~、リオカが「ピアノをやめたい!」って、言って来るとすごく心がザワザワするの。
心美: へぇ~、おもしろ~い、何で?
私: う~ん、何でだろう!?
ダイキのことが、かわいくないとか思っていないとかじゃないんだよ。
二人とも同じようにかわいいし、大切に思っている。でも、ダイキは私の言うことを聞かないと思うし。
例え聞いて私の望む道に進んだとしても、何かにつまずいたりした時に私のせいにされたくないから、
本当にダイキ自身が進みたい道を選んでもらいたいと思っているの。でも、リオカに対してはどうしてなんだろう!?
まだ小さいから私がコントロールできると思っているのかな。
心美: なるほど、コントロールね。
私: それと、私は教員免許を取るために大人になってからピアノを習って、すごく苦労したからかな。
それまでは、たいていのことは努力すれば何とかなるって思っていたけど、
初めて努力しても報われないこともあるんだぁ~って痛感したから。
もう、断然リオカの方が上手いし、ここでやめたらもったいないと思うの。
心美: ふ~ん。
私: それにね、ピアノ買うつもり全くなかったんだけど、
当時のピアノの先生に「音楽を教えるかもしれない人は、ちゃんとピアノで練習して!」って言われてピアノを買ったの。
まぁ、子どもも居るからいいかって思ったんだけどね。ほら、男の子でピアノ弾けたらかっこいいじゃん。
心美: うん。かっこいいね。

私: それで、ダイキにピアノ習わせたんだけどすぐにやめちゃって、ショウにも習わせたけど、
やっぱりすぐにやめてしまって、これでリオカにもやめられたら、ピアノももったいないし。
心美:かおりちゃん! ピアノの値段と娘の気持ちとどっちが大事なの!?
私: ……。はぁ~!?
心美ちゃん、そんなこと聞くの!?何それ。え~。それは、リオカの気持ち大事だけど……。でも、ピアノも高かったんだよ。
心美: ははっ、確かに高いよね。かおりちゃんは、ダイキ君に対しては愛、リオカちゃんに対しては愛情なんだよ。
私: ん!?ダイキに対しては愛でリオカに対しては愛情!?愛の方が愛情より大きいってこと?
心美: そう。
私: リオカへも愛情ではなく愛を注げってこと?
心美: うん、そう。
私: う~ん、そうなんだぁ~。でもね、リオカが「ピアノをやめたい!」って言って来るのって決まって、ピアノに行く直前なの。
宿題をやっていなかったとか、練習をあんまりやっていなかったから、そのまま行くのが嫌なんだと思うの。
だから、いつもあーしまった、ちゃんと宿題みてやれば良かったって思うの。
心美: 宿題や練習をきちんとやっていた時は、やめたいって言わないんだ?
私: そうなの。だから、きちんと宿題とか練習とか前もって見てあげればいいんだよね?
心美: 子どもってさ~、遊びであってもそれが勉強であっても面白いって思ったら、どんどんやるものなのね。
だから、面白い!楽しい!って思わせてしまえばいいんじゃないの?
私: 面白いに楽しいか~。確かに、「練習しなさい!」って言って一人でやらせるより、
私と一緒に歌ったり弾いたりしているとすごく楽しそうだし、私も楽しいから、そういうところから始めてみようかな。
心美: うん。
心美ちゃんとこんなやり取りをした後、
すぐにリオカが「ビリーブが弾けるようになりたいから、ビリーブの楽譜が欲しい!」と言ってきました。
早速、楽譜を用意してあげると、毎日自ら練習しています。
ビリーブの練習の前後にピアノ教室の課題曲の練習もしている様子です。
特に私が「練習しなさい!」と言うこともなく、一緒に歌ったり弾いたりすることをしなくても。
そして何日かしたら、ビリーブを暗譜して弾けるようになりました。
私: それ、先生に教えてもらったの?
リオカ: ううん。教えてもらってないよ。自分でおうちでやっているだけ。
私: へぇ~。そうなんだ、楽しそうだね~。お母さん、そんなふうに弾けないから、羨ましいし、かっこいいな~って思うよ。